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Pass the Pigsというアメリカのゲームがある。かれこれ30年くらい前に発売された古典で、順番にサイコロを振って出目による得点を獲得していくギャンブルゲームだ。システムは単純だがサイコロがブタの形をしているのがうけたのだろう、現在でも製造されていて容易に手に入れることができる。
これの日本版が「おぶたダイス」という名前でツクダオリジナルから出ていたことを知り、安かったので手に入れてみた。で、驚いた。全然ルールが違うのである。 ブタの形をしたサイコロを二個振る。ブタが立ったり倒れたりしている形から得点が入るのだが、まずその得点が全然違う。それはまあいいとしよう。バランスの問題で後から変更されることはままある。だが問題はシステムそのものが異なることだ。ありていに言えば、おぶたダイスはpass the pigsのキモの部分をすべて失っている。 おぶたダイスでは各プレイヤーはブタを毎ターン一回しか振れない。どんなにいい目が出ようが悪い目が出ようがそれは運である。そして勝敗は10ターンの合計得点で決せられる。なるほどサイコロを振る手に力はこもるだろう。しかしそれだけだ。 一方pass the pigsではpig outまたはoinkerと呼ばれる目を振らない限りブタは各ターンに何回でも振れる。得点は累計だ。つまり運がよければ1ターンでそれまでの差をいっぺんにひっくり返すことができる。ただし、pig outが出た場合そのターンの得点は0になる。oinkerなぞを振ってしまえばそのターンだけでなくそれまでのターンの累計得点まで0になる。そして両者とも強制的にターン終了で次の人にブタを手渡さなくてはならない(pass the pigs)。つまりどこまで欲張るかを戦術としてプレイヤーが決めることができるのである。 キャント・ストップまたはグリードやフォレロッテといったダイスゲームとノリは同じだ。度胸のいいところを見せようとしてサイコロを振り続けて結局すべてがパーになる。そんな光景はどこでも見られるが、それもまたよし。いちばん楽しいのはギリギリの勝負をしているときだから。また蛇足かもしれないが、このブタの手触りと振り具合がとてもいい。普通のサイコロの三倍はいい。おぶたダイスが失わなかったものもある。 pass the pigsがおぶたダイスとなるさいに何があったのかは知らない。ひょっとすると対象年齢を低く見積もって極力シンプルなルールにしたのかもしれない。オリジナルルールを尊重せよなどと野暮なことを言うつもりはない。だがこれは明らかに改悪である。ゲームの魅力を伝え損なっている。もったいないのでこれを書いてみた。 興味を持った方はこちら、Pass the pigsでJavaゲームを遊ぶことができる。コンピュータ対戦よりも実際に人と遊ぶほうがずっと面白いが、これはブタが可愛いし効果音もよい。隣に人がいれば二人対戦もできる。
by mancala
| 2004-12-02 19:37
| ダイスゲーム
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